こんにちは、こんたろです!
キャンプにおけるリビングの役割、
料理を味わい、リラックスする空間。
それを受け持つのがタープです。
タープには素材や大きさなど選択肢がありますが、
目的別に揃えるか万能なものを一つに絞るかなど
いろいろ悩むのもなかなか楽しいので、
ぜひ、タープ選びの沼にはまってください…!
1枚布のタープについての解説だよ~!
タープに求めるものは?

使用目的を絞ろう
タープに求めるものは
遮光性だったり、耐水性だったり。
あるいは丈夫さ、大きさ、デザインだったり。
ついスペックで選びがちですが、
まずはタープを使用する目的を絞りましょう。
例えば、雨の日に濡れないため、
夏の暑さを軽減するため。
あるいは特殊な張り方をして
普段と違うキャンプをするため。
どんな張り方にも対応して、雨に強くて
遮光性も抜群で、薄くて軽くて…
そんな都合の良いタープは無いです。
だから悩みながら選ぶのですね。
絶対に譲れない目的を1つ決めて、
他の目的には優先順位を付けましょう。
これは選ぶ時の判断材料になるだけでなく
買った後に後悔しないための条件でもあります。
「思てたんと違う…!」
ってなったらもったいないよ。
用途別の素材適正表
タープの目的というか用途について、
最も影響があるのは素材です。
どの素材がどんな用途に合うのか、
ざっくりと表にまとめました。
ポリエステルはPUコーティングされたもの、
ナイロンはシリコンコーティングされたものです。
※耐水性を持たせるためにコーティングは必須
用途 | ポリエステル | TC・ポリコットン | コットン | ナイロン |
---|---|---|---|---|
日差し避け | △ ~ 〇 | 〇 | 〇 | △ |
雨宿り | 〇 | △ | △ | 〇 |
焚き火 | × ~ △ | 〇 | 〇 | × |
バックパッカー | × ~ △ | × | × | 〇 |
ポリエステル(+PUコーティング)
ポリエステルは最も安価で、
価格や機能のバリエーションが多いです。
PUコーティングは通気性を保ったまま防水できるもの。
ポリエステル自体が水を吸わないことも相まって、
乾くのが非常に早いです。
弱点は熱です。
火の粉などが触れると簡単に穴が開きます。
下手すると燃え広がって溶けてしまうので
焚き火は離れて行う必要があります。
また、PUコーティングの劣化(加水分解)が
避けられないことは留意しておいてください。
出来るだけ水分を早く除去し、
乾燥した場所で保管することが
PUコーティングを長持ちさせる方法です。
また、ポリエステルは少し安っぽい印象を
受けやすい素材感です。
特にTCテントと組み合わせると違和感がありますので
見た目重視の場合は注意してください。
TC・ポリコットン
TCはポリエステルとコットンの混紡素材。
ポリコットンとも呼びます。
熱に強く、濃い影ができますが
雨には少し弱く、重くてかさばります。
化学繊維だけのものより通気性が高く、
風合いも良いので体感的にも見た目にも快適です。
比較的火の粉にも強く、穴が開きにくい素材です。
タープ下で焚き火OKとする製品もあります。
大きくて重いので車が必要になりますが、
タープ下で焚き火をしたい、あるいは
雰囲気を重視するならTCがおすすめ。
メンテナンス面ではとにかく乾燥が重要で、
自宅で干せる環境が必要です。
逆に、干せる環境さえあれば長持ちするので、
長い目で見ればコスパが良いです。
コットン100%
コットン100%になるとTCより重くなります。
風合いや風通しはとても良いのですが、重さや収納性の悪さ、
雨に弱いこと、価格が高いことで人を選びます。
最初に買う1枚としてはあまりおすすめしませんが、
デメリット多いけど好きな人は超絶好き、という
かなりマニアックなポジション。
ナイロン(+シリコンコーティング)
ナイロンは強度があるため、薄くて軽い製品が多いです。
ナイロン単体では水を吸いますが、シリコンを吸わせてから
織っているため防水性が非常に高く、PUのような劣化が起こりません。
強度があって軽くて小さく、雨にも強い、
しかもメンテナンスが楽という素材ですが、
弱点も多く持っています。
最も大きな弱点は熱で、ちょっとした火の粉でも
付着するとすぐに溶けてしまいます。
バックパッカー向けの製品では非常に薄いため
光を通しやすく、日よけの効果があまり感じられない
ものもあります。
また、素材自体が高価なうえ、表面がつるつるなので
縫い目のシームテープが貼れず特殊な加工を必要とするため
加工費用も高く、それが商品価格に乗ってしまいます。
なかなか手を出し難い価格のものが多いです。
持ち運びの軽さと小ささを重視するバックパッカーや
ミニマムキャンプをする人におすすめですが、
弱点も多いため、よく確認してから選択してください。
目的別のタープ素材選び
日差しを避ける

タープで日差しを防ぎ、
眩しさや日焼け、暑さを軽減したい。
そんな目的でタープの素材を選ぶ場合。
眩しさを防ぐ、暑さを防ぐという目的であれば
必要なことは、まず影の濃さです。
熱を伝えるのは紫外線ではなく赤外線であり、
目に見える光=赤外線を遮ることが
眩しさや暑さを防ぐ上では重要です。
影を濃くする要素はいくつかあります。
- 素材 … コットンを含むものは光を適度に遮ってくれる。
- 厚み … 同じ素材・同じ大きさであれば厚みのあるもの(重いもの)が良い。
- 色 … 濃い色、黒に近い色ほど影が濃くなるが、幕に熱を吸収してしまう。
- 遮光加工 … 裏地にシルバーコートがあるタイプは光を適度に遮ってくれる。
遮光加工されたポリエステルか、TC・ポリコットンなら
濃い影を作ってくれるので暑さが和らぎます。
ただ、TC・ポリコットンのほうが通気性があり、
湿気で蒸れて不快になることが少ないので
暑さ対策の性能はTC・ポリコットンが上です。
ただし価格はポリエステルのほうが安いです。
個人的には、価格差を考えてもTC・ポリコットンがおすすめ。
また、日焼けを防ぐにはUVカット加工が効果的ですが
そもそも地面や周囲の物の反射光でも日焼けするので、
あまりタープの加工に頼らず、衣類でカバーしたり
日焼け止めを塗るなど自身への対応をしたほうが効果的でしょう。
色については、正解がありません。
黒や濃い色は熱を吸収するのでタープ自体が熱くなります。
白や淡い色は熱を吸収しにくいですが、
透過しやすいのでタープの影は薄くなります。
色の効果は一長一短あり、結果として
快適性はあまり変わらないので、
あまり気にせず好きな色にしましょう。
特に好みがなければテントと同系色にするか、
流行りに合わせてアースカラーがおすすめ。
雨宿りをしたい

急な雨の多い地方や、梅雨の時期にもキャンプをする場合。
雨宿りの場所としてテントと同じくらい重要な役目を果たします。
雨宿りが目的であれば、最優先すべきは耐水圧とサイズです。
耐水圧の高い素材はナイロンです。
シリコンを染み込ませて織っているため水を全然通しません。
ただ、通気性も全くありません。
ポリエステル+PUコーティングも
髙い耐水圧を誇る製品が多数あります。
PUコーティングは通気性があるので
湿気を逃がしたいならポリエステルが有利。
どちらも防水コーティングと撥水加工によって
耐水性を保っていますが、撥水加工は劣化します。
長く使うには撥水のメンテナンスが必要になってきますし、
PUコーティングは加水分解による寿命がありますので
そのあたりも視野に入れて選びましょう。
また、小雨程度であればコットン系でも耐えられます。
コットンは水分を含むと膨張して織目が塞がるのと、
織り方によってかなり撥水するので
意外と裏まで浸みてくることは少ないです。
コットン系は濡れたらカビを防ぐために乾燥が必要です。
そもそもあまり濡らしたくはありませんが、
家で数日間干せる環境があるなら
コットン系でも雨キャンプが可能です。
タープ下で焚き火をしたい

日差しが強すぎたり、逆に天候が怪しいときには
タープ下に居るままで焚き火をしたくなります。
しかし焚き火をすると火の粉が舞い
炎も立ち昇るため、タープに火がついて
火事にならないか心配ですね。
基本的に、タープ下で焚き火をするのは推奨しません。
ただ、注意しながらであれば出来ないことはないので、
自己責任になりますがよく注意事項を確認して
油断せずに行ってください。
焚き火におすすめのタープは、TCまたはコットンです。
火の粉が少し当たった程度であれば、コットン系なら
耐えることができます。
ただし燃えないわけではないので、必ず
注意事項を守ってくださいね。
<注意事項>
★ TCなどコットンを含む難燃性のタープを使用すること
★ できるだけ長いポールを使い、高い位置にタープを張ること(火から遠ざけること)
★ 風がある場合は焚き火を中止すること
★ 煙がテントに流れ込まないように傾斜や風向きを考慮すること
★ 薪をくべすぎないこと(炎を大きくしすぎないこと)
★ 大量の水または消火器を手元に用意しておくこと
★ 焚き火とタープから目を離さないこと
特に風は要注意です。
突風が吹いても影響を抑えられるように、
薪を少なめにして炎を小さくしておきましょう。
バックパッキングキャンプをしたい

ザック一つに全ての荷物を詰めて
最低限の装備でキャンプを楽しむスタイル。
タープにあまり容量と重量を割けないので、
必然的に小さなタープを選ぶことになります。
収納サイズが小さくて軽い、ナイロンがおすすめ。
ポリエステルの場合、薄いものならいけます。
ただ、ポリエステルの薄いものは耐久性に劣るので
かなり頼りなく感じる場合もあります。
また、ポールは容量と重量を圧迫するため、
ストックや落ちている枝で代用するか、木々に
ベルトを巻いて引っ張るハンモックのようなスタイルで
張ることも多いです。
軽さとサイズを優先するため、他の機能が劣っていたり
価格が高かったりします。
どうしてもバックパックでやりたい、という意図がなければ
通常のものを選択したほうが快適です。
形状の違いや価格差について
形状は主に4種類

タープの形状は主に4種類あります。
- レクタ(長方形)、スクエア(正方形)
- ヘキサ(六角形)
- ウィング(ひし形、五角形など)
- その他(八角形、切れ込みが入ったものなど)
レクタとスクエアはけっこう区別が曖昧。
四角はとりあえずレクタ、みたいに呼ぶことも多いので
当記事内ではレクタとスクエアをまとめてレクタと呼びます。
タープの張り方のバリエーションは工夫次第なので、
どの形状が優れている、というのはありません。
ただ、使いやすく実用性が高いのはレクタ。
張った姿がとにかくかっこいいのはウィング。
ヘキサはその中間で、最近の定番の形。
その他の形状は特定のテントと接続するなど
かなりマニアックな使い方をするもの。
という個人的な感想です。
形状に目が行きがちですが、実はロープをかけるための
ループやハトメの位置・数が重要だったりします。
ループとハトメは多ければ多いほど張り方の
バリエーションが増えますが、代わりに
見た目が悪くなったり価格が上がったりします。
事前に「この張り方でキャンプをしたい!」
という張り方を決めて、それが実現できるタープを
選ぶといいですね。
タープの主な張り方
タープの張り方は、動画を見るのが一番わかりやすいです。
まだまだタープの張り方は存在します。
自分だけのタープの張り方を研究するのも
キャンプの楽しみ方のひとつですね。
価格の差について
一般的に、TCやナイロンは高価で
ポリエステルは安価です。
ただ、価格の差は素材や大きさによるところもありますが、
実はブランドによる差が最も大きいです。
安いものは確かに安っぽさを感じるポイントがありますが、
実用性で言えば価格ほどの差が無いことがほとんど。
見た目やブランドを重視するのか、
あるいは実用性を追い求めるのか。
これも迷う楽しみがありますね。
1枚に絞るか、用途別に複数持つか
これまで用途別に解説したとおり、タープの素材や
形状によって向き/不向きがあります。
とりあえず最初の1枚を、というのであれば
TCの3m~4m程度のレクタかヘキサがおすすめ。
TCなら焚き火で穴が開くことも少ないし、
タープ下は涼し気で過ごしやすいです。
多少の雨も耐えられます。
TCの弱点は濡れたら干す必要があること、
重くてかさばるので車が必須になること。
あとは価格が高めなことです。
弱点が気になる場合はポリエステルで、
裏地にシルバーコートがあるものがおすすめ。
ただし焚き火はタープから離れて行ってくださいね。
とりあえず1枚試してみて、そのうちに
雨キャンプが好きになったから耐水性の高いものを買い足すとか、
身軽なキャンプをしたくなったから小さなナイロンタープを買い足すとか。
キャンプを続けていくうちに用途が定まってくるので
その時にまた選ぶと良いでしょう。
さいごに
タープはテントに次いで重要なアイテムです。
種類も多いので迷いますが、まずはあなたがやりたいキャンプ、
それに合うものを選んでください。
ぜひあなたに合った1枚を見つけ出してくださいね。
それでは!