
こんにちは、こんたろです。
せっかく巡り合えた大切な道具たちを
少しでも長く使うために。
大切な「メンテナンス」のお話です。
前回はテントとタープについて解説しました。

今回はランタンについて解説します。
ランタンのメンテナンスについて

最近はLEDランタンを使う人が増えてきましたが、
昔ながらの燃料を使ったランタンも根強い人気です。
併用している人も多いようですね。
LEDはほとんどメンテナンス不要ですが
燃料系のランタンはススがついたりガスが出なくなったりと
それなりに状態が変化するのでメンテナンスが必要になってきます。
あえて汚れを残して古びた雰囲気にしていくのも楽しみ方のひとつ。
しかし点灯しないとランタンの魅力が半減してしまいますので
性能を保つ、という点でお手入れを欠かさないようにしましょう。
どういったところに気を付けてメンテナンスすれば良いのか、
これから解説していきます。
LEDランタンについてはお手入れというよりも
電池の扱いについて注意点がありますのでそのあたりを。
ガスランタンのメンテナンス
出典:コールマンオンラインショップ|2500ノーススターLPガスランタン
どのランタンでも共通ですが
まずは取り扱い説明書を一通り読んでみることが大切です。
あまり読まない人が多いかと思いますが、
メンテナンスに限らず使用・保管・故障時の対応など
取り扱い説明書に書かれていることが基本になります。
それを踏まえたうえで。
ガスランタンは意外と普段メンテナンスするところがなくて、
たまに「ホヤ」と呼ばれるガラス部品を洗浄する程度です。
頻度は使い方によりますが、なんとなくホヤが曇ってきたら洗浄する程度で大丈夫です。
注意点は、ホヤが冷えている状態で作業することです。
水か洗剤でそっと洗って、乾いた布で拭き上げます。
洗剤は普通の中性洗剤が使えますが
もし汚れが酷いときにはガラスクリーナーを使うのも効果的。
布はウェスが使いやすいです。
これは量が多いですがいろんな用途に使えるのでおすすめ。
この時、マントルに触れると簡単に崩れてしまいます。
もし崩れてしまったら交換しましょう。
ついでに周辺の金属部分も軽く清掃しておくと良いですね。
動画の後半にあったジェネレーターノズルの詰まりは
ガスが出なくなったり、火が安定しなくなったりしたときに
まず最初に疑う部分です。
非常に細い流路をガスが通るので、よく詰まりが起こります。
モンキーレンチ等の工具があれば分解は容易ですが、清掃には細い針のようなものが必要です。
修理に出すとかなり高額になってしまうので、
出来るだけ自分でやってみるのが良いかと思います。
本体金属部分は適度に磨いてあげると新品時の輝きを保つことが出来ます。
古びた感じを出したいなら清掃はしなくても良いですが
泥など水分を含むものが付着した場合はブラシなどで落とします。
安全性能に影響するところまで錆びてしまう可能性がありますので
わざと錆びさせようと水に浸けたりするのはやめましょうね。
オイルランタンのメンテナンス
オイルランタンはその点火方式によって2つに分けられます。
それは加圧式と、非加圧式です。
仕組みが全然違うのでメンテナンスも異なります。
それぞれ解説します。
加圧式
加圧式オイルランタンの燃料はホワイトガソリンや灯油などが使われます。
この液体燃料に圧力をかけてジェネレーターに押し上げ、
予熱、気化、空気との混合を経て燃焼に至ります。
加圧式オイルランタンの定番といえば、コールマンです。
下の動画で仕組みがわかりやすく解説されています。
コールマンのランタンはメーカー公式のメンテナンス解説動画がありますので、ぜひ見てみましょう。
他メーカーのランタンも基本的には同じ構造なので、参考になります。
バルブの根本から燃料が漏れたらバルブステムを増し締め。
ジェネレーターが完全に詰まったり折れたりした場合は交換します。
ポンプ穴から空気や燃料が逆流する場合はチェックバルブを洗浄または交換します。
ポンプ圧が上がらない、燃焼時間が短い(すぐ暗くなる)場合はリークが疑われます。
漏れる箇所はいくつかあるので順番に見ていきます。
ポンプカップかフィラーキャップあたりが濃厚。
https://www.youtube.com/watch?v=O1A0a6q18ps
他にもポンピングにひっかかりがある場合はエアステム交換など、各パーツの動きが悪いところは交換します。
ホヤの汚れも気になったら洗浄しましょう。
加圧式オイルランタンは比較的部品点数が多いタイプなので、
どうしてもメンテナンスは避けて通れません。
しかし「メンテナンスまで含めて気に入っている」という人も多く、
長く付き合っていけるのも加圧式の良いところです。
さほど難しい機構ではありませんので、
試しに分解してみても良いと思いますよ。
ひとつアドバイスです。
異常に気付くには、正しい状態を知っておく必要があります。
新品の正常な状態のうちにしっかりと動作を確認し、ポンプの感触などを覚えておきましょう。
非加圧式
非加圧式オイルランタンは、ウィックと呼ばれる芯で液体燃料を吸い上げ、燃焼させます。
ハリケーンランタンとも呼ばれる独特な形状を持ち、これは空気の循環を生み出す機能を持っています。
小さな炎なのに安定するのはこの空気循環のおかげでもあります。
仕組みや使い方などの解説動画はこちら。
燃料が入った状態で傾けるのはNGですね。やりがちなので注意。
普段の作業は2つだけ。
ウィックの交換と、ホヤの洗浄です。
ウィックは徐々に炭化して減っていきます。
短くなるとオイルから離れてしまい、うまく火が付かなくなります。
そうなったら交換ですね。
芯が燃えてしまうことはありませんので安心してください。
燃料には灯油かパラフィンオイルを使いますが
灯油を使うとススが出てホヤが曇るので、その場合は洗浄するのも良いでしょう。
稀なケースですが、寒暖差の激しい環境で使うとオイルタンク内が結露して水分が入ることがあります。
不完全燃焼のような状態になるので、火がいつもより小さい、ススが出る、という場合はタンク内を乾燥させてみてください。
他には空気循環のラインが詰まるというケース。
太いのでよほどの事が無ければ詰まりませんが、
長年使用した場合は起こる可能性があります。
ワイヤーなどを入れて清掃するのが良いでしょう。
非加圧式オイルランタンは古びた感じを好む人も多いです。
わざと清掃しない、というメンテナンス(?)も良いかもしれませんね。
LEDランタンのメンテナンス

LEDランタンは電気回路で点灯制御していますので
不調だからといって個人でメンテナンスするのは難しいです。
分解してみたくなりますが、汚れや水分が混入して故障の原因になるので避けましょう。
表面を拭くだけに留めてください。
LEDランタンは電池によって点灯します。
乾電池または充電池(USB充電)を使用していて、それぞれ注意点があります。
LEDランタン本体ではなく、電池側に注目です。
乾電池式

乾電池を入れて点灯させるタイプ。
乾電池で注意すべき点は、内部の電解液が外に漏れだす「液漏れ」です。
液漏れが起こるとこうなります。
発見したときには乾いて白い粉状になっていたり、機器の電極部分を腐食させている場合が多いですね。
電解液は電池の種類によって異なりますが有害で、化学火傷や失明の可能性もある危険なものです。
安全のために、次の4つの点に注意してください。
1. 電池を機器に入れたまま保管しないこと。
乾電池を機器に入れたままにすると、「過放電」という状態になる可能性があります。
過放電になると乾電池内で水素が大量発生し、金属ケースが破れて液漏れに至ります。
帰宅後は電池を機器から抜いて、別に保管するようにしましょう。
もし保管した電池が液漏れしたとしても機器へのダメージはありませんからね。
ちなみに電池を保管する際、適当に袋などにごちゃっと入れると
中でショートして最悪発火事故が起こる危険があります。
向きを揃えてジップロックに入れる、紙やプラスチックなどのケースに入れて保管する、という方法がおすすめです。
2. 向きを正しく入れること。
電池にはプラス極とマイナス極があります。
機器には正負の記号で表示してありますが、間違えて逆に入れたりすると電池破損の原因になります。
電池が破損すると液漏れに繋がります。
3. 変形した電池を使用しないこと。
電池を高いところから落としてしまったり、踏んでしまったりして
変形させてしまうことがあります。
変形した電池は液漏れしやすいので、使用しないほうが良いでしょう。
4. 新しい電池と古い電池を混ぜて使わないこと。
使用したけどまだ使える電池、勿体ないから使い回したいということがあります。
同じ本数のままで使い続けるなら良いですが、
例えば別の機器に使用したいけど本数が足りないから新品を追加する、というのはNGです。
電池は新しい方に古い方が合わせてしまうので、古い方の電池が過放電の状態になります。
つまり古い方が液漏れしてしまうということですね。
5. 電池の種類を正しく使うこと。
乾電池にはアルカリ電池とマンガン電池があります。
どちらを使用したほうが良いのかは機器の取り扱い説明書を確認しましょう。
必ず記載されています。
合わない種類の電池を長期間使うと、これも液漏れの原因になります。
6. 使用推奨期限を超えて使用しないこと。
電池には使用推奨期限というものがあります。
電池に記載されていますので、一度確認してみてください。
この期限を過ぎたものは、たとえ未使用であっても使わずに廃棄したほうが良いでしょう。
下手に使うと液漏れなどを起こしやすいようです。
この期限内であっても保管状態が悪ければ電池が劣化してしまいます。
保管は温度10~25℃、湿度が低く直射日光が当たらない場所がベストです。
ショートしないように向きを揃え、ジップロックなどに密閉しておくと良いでしょう。
液漏れした電池の処分
素手で触ると化学火傷の恐れがあります。
ビニール手袋を着用して触るようにしましょう。
乾電池の電極部分が隠れるようにビニールテープを巻いて、自治体のルールに従ってゴミ出しをしてください。
もし機器に電池が入った状態で液漏れしてしまった場合は、
電池を抜き取ったあと、水で濡らしてから拭き取ります。
しっかり乾燥させて、新品の電池を入れて動作を確認してください。
USB充電式

USB接続で充電し、繰り返し使えるランタン。
あまり意識しないと思いますが、内部には充電池が内蔵されています。
充電池には主に3種類あります。
ニッケル・カドミウム電池(Ni-Cd)、リチウムイオン電池(Li-ion)、ニッケル水素電池(Ni-MH)です。
LEDランタンにはコンパクトなリチウムイオン電池がよく使われますが、
技術の進化によって新しい電池が搭載されているものもあります。
電池や製品それぞれにベストな使い方があります。
ちょっとインターネットで調べたらフル充電した方が良いとか、20%~80%の間で使うのが良いとかいろんな情報が見つかりますが
基本的には製品の取り扱い説明書に記載されていることを守るようにしましょう。
一般的に言われている「良いこと」が、その製品にとっては「悪いこと」になってしまう場合がありますので。
ということでUSB充電式に関しては
「取り扱い説明書に従うのがベスト」
という何とも当たり前なお話でした。
まとめ

ランタンのメンテナンスについて解説しましたが、いかがでしたか?
ランタンはメンテナンスを楽しみやすいアイテムです。
道具のメンテナンスをしたことが無いというひとは、まずランタンからやってみるといいですね。
磨くだけでも没頭するくらい楽しいですよ。
それでは。
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