
春用シュラフの選び方
こんにちは、こんたろです。
4月になれば、いよいよキャンプ場がオープンする時期ですね。
一年中開いているキャンプ場もありますが、春~秋の3シーズンのみ開放というところがまだまだ多いです。
「春になったらソロキャンプをスタートしてみよう」という人も多いと思います。
そこで、春に合うシュラフ(寝袋)について、その選び方とおすすめを紹介します。
マミー型か封筒型かを選ぶ
シュラフと言ってもいろいろあって初心者には何が良いのかわからないと思います。
順に見てきましょう。
まずは、形の違いです。
エジプトのマミーに似た形の「マミー型」、長方形の「封筒型」の2つに分かれます。
マミー型はこんなやつです。
見た目には狭苦しそうなイメージを持つと思います。
実際その通りで、慣れるまでは窮屈というか、少し動きにくいな、という印象でした。
しかし2~3回使用すると体も慣れますので、最初だけです。
「狭そうだからマミーはNG」にするのはちょっともったいないので、メリットをしっかり確認していきましょう。
封筒型と比較したときのメリットは、主に以下のようになります。
【マミー型のメリット】
- 足元に空間が無いので暖かい
- 首元を締められるので暖かい
- 頭まで包まれて暖かい
- コンパクトに収納できる
封筒型はこんなやつです。
形状は長方形、足元がマミー型よりも広いです。
マミーよりも足元や首元に空間があるので動きやすいですが、代わりに冷えやすいというデメリットもあります。
また、頭まですっぽり被れるタイプと、布団と同じように首元までしか無いタイプがあります。
マミー型と比較したときのメリットは、主に以下のようになります。
【封筒型のメリット】
- 足元に空間があるので動きやすい
- 首元に空間があるので息苦しくない
まとめると、
マミー型は保温性と収納性重視
封筒型は寝やすさ重視
ですね。
ザックに道具を詰め込んで持ち運ぶ方は、マミー型が適しています。
身体が大柄な人は封筒型の方が楽かもしれませんが、そもそもビッグサイズのシュラフを探したほうが良さそうです。
「車で移動するし身体も大きくないけど、少し寒い場所には行くかもしれない、迷うなぁ」という方は、できれば一度アウトドアショップで寝心地を試してみましょう。
気に入った方を持つのがベストです。
コンフォート(快適)温度で選ぶ
シュラフにはコンフォート(快適)温度、リミット(下限)温度、エクストリーム(極限)温度などが設定されています。
メーカーや商品によって温度の表現や定義が違うのでややこしいですが、
一般的には「コンフォート温度≦現地の最低気温」くらいに考えてください。
コンフォート温度が現地の最低気温マイナス1~2℃程度あると快適かと思います。
気温が想定より高い分には服を薄着にしたり、ファスナーを開いたりで調整できます。
想定より寒い場合はカイロやブランケットで温めることが必要になり、少し寝にくくなります。
リミット温度での使用は、フリースや靴下などを着込んでテントも風が吹き込まないものにして、コットとマットを使って…という対策をしないと寒くて眠れない可能性があります。
いくら春になったといっても、山間部ではまだ雪が降るような温度まで下がる場合もありますから、要注意です。
参考までに、富士山のふもとで有名なキャンプ場「ふもとっぱら」の3月22日の気温です。

出典:ふもとっぱら.”ふもとっぱらからの富士山の様子”.2020年3月22日. https://fumotoppara.mirailabo.dev/iot/cam/dayview.php?year=2020&month=3&day=22 (参照 2020年3月23日)
最低気温は2℃くらいでしょうか。
コンフォート温度0~1℃くらいのシュラフが快適ですね。
とはいえ、温度に合わせていくつもシュラフを購入することは難しいと思います。
お金かかりますし、保管場所も必要になります。
例えばぼくの場合ですが、秋・冬・春の寒い時期用にコンフォート温度0℃のマミー型をひとつ、春・夏・秋の暖かい時期用にコンフォート温度10℃の封筒型をひとつ、計2つで通年キャンプを行っています。
家族用にいくつか買って試しましたが、結局のところ自分が使う分としては2つで足りています。
コンフォート温度4℃くらいのシュラフ1つで通年キャンプをする方もいますが、冬は寒さ対策が必須になります。
冬キャンプは絶対やらない、という場合は4~6℃を1つ持っておけば通年対応可能です。
ぼくは冬キャンプもお勧めしていますので、このブログ的には「寒い時期用と少し暖かい時期用の2つを持つ」ことをおすすめします。
重ねて使う2in1スタイルの4シーズン対応シュラフなどもありますので、いろいろ探してみるといいですね。
ダウンか化繊かを選ぶ
中綿の素材にも違いがあります。
ダウン(羽毛)と、化繊(ポリエステルなど)です。
一般的な違いは次のとおりです。
【ダウンと化繊の差】
- ダウンは高価、化繊は安価
- ダウンは軽い、化繊は重い
- ダウンはコンパクト、化繊は大きい
- ダウンは洗いにくい、化繊は洗いやすい
- ダウンは濡れると保温力が落ちる、化繊は落ちない
何を優先するかですね。
とにかく価格を抑えたいのなら化繊にするべきですし、
登山用を兼ねるとかキャンプツーリングをするならコンパクトなダウンを選択するほうが良いでしょう。
高価なダウンじゃないと保温力が無いなんてことはありませんし、
化繊だからといって持ち運べないほど大きいこともありません。
あと、ダウンは濡れると保温力が急激に低下しますが、
その対策としてシュラフカバーを付けるという手があります。
カバーがあると暖かさもアップするので、
その分を見込んでコンフォート温度がそれほど低くないものを選択しても良いでしょう。
洗濯に関しては、30~50回に1度くらいが目安と言われています。
洗濯方法の違いはこちらの記事がわかりやすかったのでご参考に。
価格や大きさの差がどれくらいなのかイメージがつかないと思いますので、一例としてモンベルのシュラフを比較してみましょう。※2020年3月23日時点の情報です
ダウン:ダウンハガー800#3
化繊:バロウバッグ#3
まず温度。できるだけ近いものを選びましたが、少し差があります。
ダウンは4℃、化繊は6℃です。
価格は、ダウン:30,000+税、化繊:14,500+税。倍以上の差がありますね。
重さは、ダウン:595g、化繊:1085g。倍近い差です。
収納サイズは、ダウン:φ14×28cm(3.8L)、化繊:φ18×36cm(7.3L)。こちらも倍ほどです。
若干ダウンが高性能なので、まったくの同性能同士で比較するともう少し価格差は縮まって、大きさの差は開くと思います。
まぁ、けっこうな差がありますね。
さきほども言いましたが、何を優先するかが大切なので、大きさが倍になってでも価格半分なら良しとするか、逆に価格が倍になってでもコンパクトさを取るか、です。
ご自身の年間使用イメージを想像してみてくださいね。
春用シュラフ おすすめ5選
「どんなシュラフが最適か」というのは人それぞれですので、ぼくが個人的に良いなと思ったシュラフの中で、厳寒期以外の季節に合ったものを選定しました。
価格帯別に封筒/マミー、化繊/ダウンの組み合わせ4パターンを1商品ずつ紹介します。
ではさっそく。
- ~5000円
封筒型・化繊 Mozambique(モザンビーク)シュラフ
コンフォート温度は10℃。
かなり暖かくなってきた時期に最適なシュラフです。
もし春先や秋口にも使う場合はこれだけだと相当寒いので、フリースを着たりブランケットを足元に詰めるなど寒さ対策が必要になります。
特長は、内側のフランネル生地です。
一般的なシュラフの生地はポリエステルのため慣れるまで違和感がありますが、この商品のようなフランネル生地であればいつもの布団のように安心して眠れると思います。
首元のしぼり、両面ジッパー、ファスナーガード、足元を開けられるダブルジッパーなどの機能が一通り揃っていて快適です。
頭は覆えないので、枕やナイトキャップなどがあるといいかも。
シュラフに抵抗感がある、という人におすすめです。
マミー型・化繊 sahara シュラフ
コンフォート温度は不明。リミットが-15℃という表記ですが、重量が1.7kgなのでそこまで性能は高くありません。
推測ですが、コンフォート温度は3~5℃くらいかと思います。
使用者レビューによると0℃や-3℃でも使えていますので、3シーズン使うならおすすめです。
マミー型シュラフはダウンが多いので価格帯が高くなりがちですが、この商品は化繊のため安価で手に入ります。
マミー型の暖かさやホールド感を試してみたい方にもおすすめです。
封筒型・ダウン/マミー型・ダウン 該当なし
残念ながら低価格帯のダウンシュラフには、おすすめできるものはありませんでした。
商品自体はありますが、獣臭さ(ダウンは多少匂いがあります)がどうしても取れないとか、それほど暖かくないとかで、価格相応の低品質ダウンなのだと思います。
やはりダウン自体が高級ということで、安いシュラフを狙うなら化繊の方が高品質なのでおすすめですね。
- ~15,000円
封筒型・化繊 Coleman(コールマン)マルチレイヤースリーピングバッグ
4シーズン対応の3レイヤーシュラフです。
うち1つはインナーフリースですので、他2レイヤーとフリースの組み合わせですね。
コンフォート温度は、全レイヤーで-5℃、アウターレイヤー+フリースで5℃、ミドルレイヤー+フリースで12℃となっています。
スペック上では厳寒期も対応できます。
厳寒期でもかなり暖かく使えたという使用者レビューも散見されます。
レイヤー切り替えによって現地で気温に合わせたセッティングが可能という、他にはあまり見かけない特長があります。
ただし、その分重量は凄まじく、4.9kgという重さ。
価格も化繊にしては高いほうですね。
とはいえこれ1つあれば通年使えますし、寝心地も良いのでおすすめです。
マミー型・化繊 該当なし
マミー型の化繊シュラフは低価格帯に商品が集中しています。
5000円以上のものは厳寒期対応のものばかりで、暖かい時期にはオーバースペックとなるため不向きというか、安いもので充分使えます。
冬も使うという場合は選択肢に入りますので、一応参考商品を載せておきます。
封筒型・ダウン Naturehike(ネイチャーハイク)
コンフォート温度5℃。
重さは570gしかなく、サイズもφ12×26cmとコンパクト。
そのぶんダウンは少なめです。
3シーズン用としては丁度良いですね。
価格は少し割高感がありますが、圧倒的なコンパクトさでソロキャンプの活動の幅が広がりそうです。
マミー型・ダウン Soomloom 650FP
羽毛量が選べるタイプです。
2020年3月24日時点では1000gと1500g。
どちらも冬の使用に耐えられる性能なので少しオーバースペックですが、1000gなら春・冬・秋の3シーズン使えると思います。
この価格にしてはめずらしく、650FPのダウンです。
FPはダウンの性能を示す指標で、数字が大きいほど少ないダウンでも暖かくなります。
で、それが1000gも。
暖かいシュラフですね。
コンフォート-10℃は流石に無理がありますが、2℃くらいなら大丈夫だと思います。
生地自体は薄いので、破れないようにだけ注意してください。
ダウン1000gだと重さ1.5kg、収納サイズはφ24×27cmとすこし太め。
さらに高価格帯(3万円以上)の登山用シュラフもありますが、キャンプではそこまでお金かけなくても大丈夫です。
もちろんどうしても欲しいなら、所有欲を満たすために買うのも良いと思います。
もしこだわりが無いのであれば、まずは安くて良いものを選んで使い倒しましょう。
まとめ
シュラフは暖かいものを選びましょう。
価格、形、サイズや重さも確認しましょうね。
それでは良いキャンプを。