こんにちは、こんたろです。
キャンプではナイフやナタ、手斧など
刃物が活躍する場面が多くあります。
かっこいいアウトドアナイフやハンドアックス、
手にするだけでテンションもあがりますね。
刃物を街中で持ち歩いていたら法律違反!
というのは周知のことですが、
キャンプ場に持って行く際も同様のリスクがある
ということを知らない人もいるのでは。
キャンプで使うことの多いナイフ類は
場合によっては法律違反に繋がってしまうので
ぜひ正しい知識をもって、無事にキャンプ活動を
楽しんでいただきたいと思います。
というわけで解説していきます。
正しい知識を得ることも自己責任のうち。
適当にしてると大変なことになるかもだから、
改めてお勉強していきましょう。
まずは法律を簡単にお勉強

法律はとても難しい文章で書かれているので、
読んでも全然頭に入らないのが残念ですね。
引用しつつ、簡単な言葉に置き換えて解説します。
銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)
刃物の所持や運搬に関する法律は
「銃砲刀剣類所持等取締法」
いわゆる銃刀法で定められています。
第四章 第二十二条
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=333AC0000000006
何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが六センチメートルをこえる刃物を携帯してはならない。ただし、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが八センチメートル以下のはさみ若しくは折りたたみ式のナイフ又はこれらの刃物以外の刃物で、政令で定める種類又は形状のものについては、この限りでない。
銃刀法の中でナイフや包丁に該当するのはこの部分。
刃渡り6センチメートルを超える刃物は携帯禁止、という内容です。
携帯とは持ち歩くことですが、
車で他の荷物と一緒に運搬することも含みます。
つまり、家から持ち出す時点で携帯となります。
じゃあ刃渡り6センチメートル以上の刃物は
家から持ち出せないの?となりますが、
最初のほうに
「業務その他正当な理由による場合を除いては」
とあります。
キャンプで使用するためという正当な理由があれば
携帯OK!ということです。
注意点は、「正当な理由による場合」を判断するのは
あなたではなく警察官であるということ。
警察官から見て
「間違いなくキャンプで使うために携帯している」
と判断してもらうことが必要なんですね。
次に、罰則についての解説です。
第三十一条の十八
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=333AC0000000006
次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
三 第二十二条の規定に違反した者
刃渡り6センチメートル以上のナイフを正当な理由なく携帯すると
二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金
という罰則があります。
これは結構キツイ罰則ですね。
キャンプ用にナイフ持ってて検問等で発覚、
そこで正当な理由として認められなかったら
二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金です。
罰は裁判で決められますので、
自分が選ぶことはできません。
また、罰金で済んだとしても前科として残ります。
無罪判決となればまだマシですが
起訴されれば無罪を勝ち取るのは大変なことですし、
多大な時間を奪われ、代わりに多大なストレスをいただけます。
キャンプしたいだけなのに…。
話は変わりますが、ここまでに
「刃渡り6センチメートル」
という言葉が何度か出てきました。
小型ナイフだと5センチメートルくらいのものも多いです。
それなら法律で罰せられることもないのか、と思いきや
刃渡り関係なく刃物の携帯はNGという法律があるのです。
それが次項で解説する「軽犯罪法」です。
軽犯罪法
幅広い軽犯罪についてまとめられた法律、
「軽犯罪法」
ここにも刃物が該当する一文があります。
第一条 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=323AC0000000039
二 正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者
刃渡りや形状の指定がなく、
ナイフだけでなくカッターや鉈、鉄棒など怪我の危険があるものは
全て該当します。
ただし、こちらも
「正当な理由がなくて」
という記載がありますので、
キャンプのためとわかるようにすれば大丈夫!
ということです。
また、罰則については
拘置所に収容されるか、千円~1万円以下の罰金となります。
こちらも有罪が確定すれば前科持ちとなります。
刃物をキャンプ場に持って行く方法

ナイフや手斧などの刃物は、
キャンプのための持ち出しであれば
罪にはなりません。
また、キャンプの帰りに持っている状態も
罪にはなりません。
しかしそれらが
「警察官から見て正当な理由であること」
が重要です。
また、キャンプ中の携帯についても
周囲に危険を想像させないようにする必要があります。
これらの具体的な方法について解説します。
刃物の運搬方法
刃物の携帯中は、
「キャンプの行き帰り」であると
警察官が見ても疑わしくないようにします。
ポイントは4つ。
- ケース等に入れる
- 見えないようにする
- 簡単には取り出せないようにする
- 必要以上の数を持たない
順に解説します。
ケース等に入れる
刃物は抜き身で運搬しないほうが良いでしょう。
きみね、これなんで(ケースに)入れてないの?
普通に危ないよね?ほんとにキャンプ?
えっ、あの、
ワイルドでかっこいいかなって…。
あ、しかも刃渡り(6センチメートル)超えてるね。
銃刀法違反ね、わかる?
いやいやいや、
ちょっと待って!5.8センチだから!
一度この流れにはまると、
もう何を説明しても「言い訳は署で聞く」が返ってくる、
という地獄が待っている…かもしれません。
刃物は「警察官が違法性を疑うもの」のひとつです。
とにかく疑われないようにすることが大切です。
ケースを装着するということは、
「すぐ使うわけじゃないですよ、キャンプ行ってから使うんですよ」
「武器としてじゃなくて、キャンプギアとして大切に扱ってるんですよ」
という意志表示です。
ケースは刃物に付属するもので十分ですが
家庭用の包丁などケースが無い刃物についてはケースを用意しましょう。
刃だけでなく全体をカバーするものもあります。
見えないようにする
刃物は外から見えないように隠しましょう。
見えると突っ込まれます。
ちょっと荷物見せてもらっていいかな~、
あれ、そこに見えてるの包丁じゃない?包丁だよね?
ちがいます。
あ、ナイフか。ナイフだね。
ちょっとお話聞かせてもらえるかな~
(聞く気なんてないでしょ…!)
隠すというと良くないイメージですが、
わざわざ誤解を招くような行動をとるのは避けましょう
ということですね。
具体的には、
ナイフならキッチンツールなどとまとめてケースへ。
手斧や鉈なら薪とまとめるか、着火剤等とまとめてケースへ。
とにかく「刃物を刃物として出しっ放しにしない」ことです。
あくまでもキャンプギアのひとつ、ということが
見られたときにすぐわかるようにしておきましょう。
簡単には取り出せないようにする
車に荷物を積むときに、
刃物はできるだけ先に積んでしまいましょう。
ちょっと荷物見せてもらえるかな?
(…危ないものは見当たらないなぁ)
キャンプで料理とかもなさるの?
あ、はい。
アウトドア料理が趣味でして。
なるほどぉ…
(これだけキャンプの荷物あるし、ナイフ発見しても
引っ張るのは無理があるな)
はい、わかりました!ご協力ありがとうございました。
はい。ごくろうさまです。
ほんとうにこんなことを考えているかはさておき、
ざっと荷物を見ながら状況判断されます。
本当にキャンプに行く(または帰る)途中なのか、
銃刀法違反の刀剣類を持っていないか、
犯罪に関わるものがないか、などなど…
例えば助手席にナイフがあったら。
背負っているリュックの一番上に包丁があったら。
なんでこんなに取り出しやすい場所にあるの?
誰か刺そうとか考えてたんじゃないの?
疑われますね。
最初に言ったとおり
まず疑われないことが重要ですので、
簡単に取り出せないようにするのはとても大切です。
必要以上の数を持たない
キャンプで使う刃物の数はどれだけ多くても
料理用に包丁かナイフ1本、
薪割り用に手斧か鉈1本、
ブッシュクラフト用にナイフ1本、
計3本もあれば十分です。
あまりに多い刃物を持っていると、
それはキャンプ用途ではないかもしれない、と
疑われてしまう要因になります。
調理士が仕事場に包丁を何本も持って行くのとは
根本的に違いますので、
刃物は厳選したほうが良いでしょう。
また、ハサミやカッターも刃物として数えられるので
不用意に携帯しないほうが無難です。
キャンプ中の管理方法
キャンプ場に警察官が立ち寄ることは
ほとんどありませんが、
通報によって駆けつけることはあります。
よって、キャンプ場では通報されないように
安全な使い方をすることが大切ですね。
刃物を持ち歩かない
腰にナイフをぶら下げたくなる気持ちはわかりますが
通報されるリスクを考えるなら
やめておくのが無難でしょう。
トイレに行くときや
炊事場に行くときなど
刃物が必要ではない場面では
持ち歩くと通報される可能性があります。
いや普通に怖いですよね。
トイレ行ってすれ違った人が
ナイフ持ってたら。
手洗い場に
手斧持ったおっさんが立ってたら。

通報待ったなしです。
普通に考えたら明らかにヤバい行為なのに、
キャンプ場だとわからなくなってしまうようです。
ケースに入っていたとしても、
刃物は携帯しないこと。
刃物を出しっ放しにしない
防犯の基本のひとつ、
刃物は出しっ放しにしないことです。
刃物をぞんざいに扱っていると、
周りからは危険人物とみなされる場合があります。
怪我の恐れもありますし、
できるだけ刃物は使うときだけ出すようにしましょう。
できればツールボックスなどに
毎回片付けるようにするとベスト。
少なくとも、カバーをかけるくらいはしておきましょう。
サイトを離れるときは車の中へ
車の中は刃物の保管場所として最適です。
面倒かもしれませんが、サイトを離れるときは
車のトランクにでも入れ込んでおきましょう。
サイトに置いたまま離れたりすると、
誰かが持ち出して犯罪に使用するかもしれません。
可能性がある以上、防犯のためにできることは
やっておくべきでしょう。
そのひと手間で犯罪防止になるのなら
非常にコスパが良い行動だと思います。
コスパだけで判断するものでもないけど、
お金かけずに防犯効果があるならいいんじゃない?
まとめ
刃物は正当な理由(キャンプのため)が明らかな状態で
運搬したり使用をすること。
疑われるような運搬の仕方は避けましょう。
ちょっとした配慮で回避できるトラブルなので、
毎回意識しておきましょう。
それでは!